第8章 イタチ。切
「イタチさん、どうしますか?この女……殺しますか?」
鬼鮫が、イタチに話しかけるが、目線の先は、しっかりと花奏に向けたまま。一気に張り詰めた空気が広がっていく。
クナイを持つ手が震える。イタチの実力を知っている花奏は、恐怖と絶望の中で死を覚悟する。
「っ………ねぇ……、イタチ君……」
花奏は涙目になりながら、
イタチを見つめる。
鬼鮫とイタチを里から離れた街で見つけ、気配を消して尾行していた。
しかし、人気のない森の中に入った瞬間、逃げれないよう、前後に挟まれてしまい、花奏は、逃げ場無く、追い込まれていた。
「…くっ……」
誰かに、伝えてから尾行すれば良かった。絶対に……見つかってないって思ってたのに……。