第7章 サンジ君(DNH企画)
「ナミさぁぁぁん、ロビンちゃぁぁん、今日も一段とお美しいぃ。雲という名のあなたの美貌に打たれ 激流へとくずれ落ちる僕は流木・・・ さァおやつです♡」
サンジ君がくるりと回転しながら、今日も甘いデザートを軽快に運んでいく。
「ありがと、サンジ君」
ナミは新聞を読みながら、片手で受け取る。波が平生で今日は過ごしやすい。
「ふふ、コーヒーも頂ける?」と、
ロビンは営業スマイルを浮かべながら、サンジ君にリクエストしている。
「喜んでーー♡」
メロリーンと叫んでスキップしていくサンジ君。
見た目がイケメンで金髪。黒のスーツ姿でスタイル抜群。サンジ君は天性に恵まれたように、女受けが良い様相をしている。
さらにサンジ君は、女好きで軽い。フラットでいつも街に降りては、女を誘って引っかけてばっかり。
世界中の美しい女性が大好きな男の人。
ただ私一人を除いて、余す事無く、
大好きだと思う。
「……食〜べ〜た〜い〜…」
私のデザートが来ない。
サンジ君は「ほらよ」って気怠く言いながら、男達にも次々に手渡す。
今日も私が一番最後。
三時のおやつが一番苛々する時間。
何で私がいつも最後なの?嫌がらせ?ナミやロビンは絶対一番なのに……。嘆息を漏らして、一人、離れた場所で座って待っている。
口を尖らせて、船尾の方を向きながら1人で医療本を読んでいる。だけどまだ来ない。
私はチョッパーの助手として、数ヶ月前から仲間として船に乗っている。
あんなに最初はお世辞をいっぱい言ってくれたのにな。ナミやロビンと一緒にデザートを一番に持って来てくれたのに……。