第6章 我愛羅さま
「こちらです」
私はお見合いのテーブルに案内する為、廊下を歩いている。
「久しぶりだねー、花奏ちゃん、宜しくー。なんか照れるねー」六代目は笑顔で挨拶をしてくる。
正装をして、漆黒のマスクをつけている。蒸し暑くはならないのだろうか。いつ見ても暑苦しいお方だ。然し本人は今日も、涼しい顔をしておられる。
「宜しくお願いします。さ、中にお入りください」
扉を開けて、手を中へ合図する。次々と用意したお見合い室に足を運んでいく。
六代目の後ろには、例のお見合い女性がいる。
写真以上の美女。長い髪、眩い大きな瞳。スタイル抜群。それでいてどこか控え目な様相。つい女の私でも見惚れてしまうほどの人だった。
頭が私はもう回りそうである。
この場から逃げ出したい衝動に、先程から何度もかられている。
次に入ってきたのは、六代目秘書のシカマル様だ。まあ面倒くさそうだ。口を大きく開けて欠伸をしている。ついてきただけ。そんな感じだろう。
白い布を敷いた長い机に席をついたことを確認し、好きなドリンクを聞いて、私は手渡しで渡していった。
そしてお見合いがついに始まってしまった。