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【NARUTO】他。短編集

第3章 気持ち


なんて女だ。腹が立つ。

バレたなら、仕方ないなぁ。








ーーー逃すかよ。





「待ってよ、花奏、こっち向いて欲しいんだけど。なぁ、向けって」

がっちり腕を掴んで離さずに覗きこんで、にっこり微笑んでやった。

「オレは本気なんだよ。それなのにおまえは逃げるわけ?ちゃんと目をみなよ」

ダメだ。顔がニヤける。コイツの反応が面白すぎる。分かりやすいんだけど。手に取るように分かるよ。

「おまえ、本当に忍?顔、出すぎだ」

「…っ!!だ、だってカカシ先生、急に変なこと言い出すんだもん…は、恥ずかしいんです!!」

耳まで真っ赤にして、顔も真っ赤。

あー、オレも人の事言えないな。
緩々だわ、口が。口布してて良かった。バレ…てるな。多分。

「……なぁ、花奏、好きなヤツいるの?どんなヤツ?教えてよ、先生に。聞きたいな。」

「……っ!!!……恥ずかしい…」

恥ずかしい?何その可愛い言い方。どこでそんな事覚えてくるわけ?

「言ったら任務に行っていいよ」
「えええ???……うぅ…。」
「ホラ、早く言えよ。ほかのヤツ待ってんでしょ?」
「………カ……」
「カ??続き、ホラ言って?」

うーん、可愛いなぁ。何歳離れてんだ。14歳になったばかりか……どこまでやっていいんだ?

目を逸らして、悩んでいたら花奏の可愛い声が聞こえた。


「カカシ先生…、こっちをみて?」
「ん?なんだ?……!……」

オレの口布を左手で下ろして頬に手をやり、つま先立ちで唇をふわりと合わせてきた。

いきなり過ぎて呆然と花奏を見たら、身体を震わせて笑ってやがる。

「ふふ、隙ありです!任務行ってきます。カカシ先生!」

緩んだオレの腕を、するりと抜け出し、任務に行ってしまった。

「…ああ、行ってこい…気をつけてな」


声はいつものオレ。

だけど、オレも今、忍じゃないかも。


表情がモロばれだ。



あー、恥ずかし。


「帰ったらお仕置きだな。ったく。」


ため息をついて花奏が遠くに行くのを
笑ってオレは見ていた。


「可愛いヤツだな。ほんとに」










fin


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