第3章 気持ち
「カカシ先生…どうしたの?ボーっとしちゃって。あ、先生はいつもそうか」
アハハ、と大きな目を細めて笑う女の子がそばに寄ってくる。
アカデミーの廊下の窓からぼぅっと頬杖ついて外見てたら、声をかけられた。
第七班の生徒で名前は、花奏だ。14歳で声や仕草が可愛い。なんて、思うオレは多分ロリコンなんだろ。だってオレ26歳だし。コイツに今、手を出したら色々問題が浮上するから、早く大人になるのを待っている最中だ。
ーーーしかし、
今日はやけに近いな……。
同じように横で外を見てるけど、ねぇ、おまえ、右腕当たってるよ?
んーおかしいな。
あんまり近くに寄って欲しくないんだけどなー……。気持ちがばれたくない。オレ、我慢出来ないし
ため息を吐いて、花奏をみたが、全然恋愛なんか興味がなさそうだ。
「花奏、近いな、ちょいと、離れてくんない?」
「え??……ごめんなさい……」
「いや、謝らないでいいんだけどね。お前最近どうよ、修行はちゃんとやってるわけ?任務はどうだ?慣れたか?」
「あ、はい!カカシ先生に言われたやり方を学び、サクラと第三演習場を使って頑張ってますよ。任務はだいぶ慣れてきました。だけどカカシ先生には全然、足元にも及びませんがね…ふふ」
話の糸口を探しながらオレが聞けば、目を光らせて嬉しそうに話をしている。
んー、普通に純粋だなぁ…。
この下心満載なオレとは大違いだな。
「そうか、ま、今は成長途中だ。あんまり無理して身体を壊すなよ?オレはね、天才だから追いつくにはまだ早いよ。ーーなんてな。」
「カカシ先生、ありがとうございます。優しいですよね?先生って……」
「そうか?オレはあんまり人に興味無いからなぁ。気にかけたヤツにしか相手にしてないよ。おまえとか…ね。」
あ、言ってしまった。
「……っ、あは。やだ、先生ったら、またまたーー。あ、じゃあ、任務があるので行ってきます!」
そう言ってくるりと、向きを変えて歩いていきやがる。
「………。」
へー、オレの気持ち聞いておいて、スルーか……