第24章 サンジ君(DNH企画)7章の続き
「っ!サンジ君…!」
わたしは目をむく。サンジ君は、するりと箱からそれを取ると、わたしの指に通した。
シルバーのリングが
月明かりに反射して光り輝いた。
「最近な……オレの夢が朽ちて、途中でメリー号を降りても、あんまり後悔しねェなって思ってんだ」
サンジ君は笑ったまま
大海原を眺めている。
「花奏ちゃんがな……そのとき、オレのとなりで笑っでいてくれていたら、オレは、なんにも悔いはねェよ」
サンジ君は「指輪は、アレだ、未来の婚約指輪ってことで」と照れくさそうに喋った。
「うん。 サンジ君……ありがとう」
わたしは
微笑んでいたのに。
指輪を見ていたら、だんだんと胸が熱くなる。どうしても止めれなくて。目が潤む。それから頬に滴が流れた。
「花奏ちゃん、泣くなよ。君に涙は似合わねーぜ」
サンジ君は、
わたしの目尻を優しくぬぐった。
「ベッドのなかでなら、いくらでも、大歓迎だぜ? もう一回するかい?」
「っ、もう」
頬を赤らめて照れて、でも頷く。
わたしは合図みたいに
唇を塞がれていた。
「愛しているよ、花奏ちゃん」
それから、甘いキスを。優しくて愛おしいキスを。何度もわたしに、届けてくれた。
「わたしも
大好きだよ、サンジ君」
fin