第23章 我愛羅
もう一度抱きしめられたとき、我愛羅がドキドキしているのが分かった。心臓の音が早い。
「我愛羅……わたし、前から好きだったの。たまに笑う顔が凄く好きで……」
身を任せていた。
気持ちいい。かおをすり寄せた。
「花奏……オレは今、我慢している。あまり刺激するな」
「っ、えっ……」
顔をあげた。我愛羅の頬が赤い。視線を逸らして口もとに手を置いている。
「柔らかいものを当てるな。オレも男だ。そろそろ……」
「ご、ごめん」
固いモノが当たってるって思っていたけど、そういうこと……。赤らめた私は離れた。
でも、すぐに止めた。
我愛羅の手を取って、自分の胸に手を置いたの。もっと触って欲しくて。
「…好き……もっとして?」
「花奏っ!……ダメだ、今酔ってる。オレは制御できない……」
「していいよ…キスして?」
「…花奏……!」
ソファに座りながら唇を重ねた。アルコールの香りがする。苦いビールの味。舌が絡む。私の胸を優しく揉むと、スイッチが入って、我愛羅は目を閉じて、もう一度開けた瞳は、恍惚としていた。まっすぐ私をとろりと見ている。
「っ…、ハァ……花奏、……今日は……そういうつもりで上がってもらったわけじゃ……」
「分かってるよ。…でもして欲しいの」
手に入らないと諦めたひとが、目の前にいる。わたしを好きだと言ってくれている。
「…ん」
荒い息を耳に聴きながら、キスをねだった。ソファに寝転んで抱き合って口付けを交わした。甘い水音が響く。
触れられる場所が熱い。
服の上からじゃもどかしい。
興奮して求めてしまう。大きくため息を吐いた我愛羅が、笑みを見せた。