第18章 続き★サソリさん
「花奏」
サソリさんに名を呼ばれても
返事ができない。
しんどい。秘口の痙攣が止まらない。
何回も何回もイキすぎて、身体が動かない。
腰がじわじわと痛み、膣はヒクついている。
「サソリさん……しんどく……」
「ない」
「ですよね……」
汗だくだ。
となりで横になるサソリさんは涼しい顔だ。
傀儡。便利な身体だろうか。
「指を見ろ」
私の指にサソリさんが優しく触れる。
左の薬指には、
キラキラ光るプラチナの指輪がはめられていた。
「え!? サソリさん!?」
彼の指にも同じ指輪が
はめられている。
「オレは傀儡だが、これぐらいは出来る……。それに今日は大事な日だろ?」
サソリさんが
私を見て、柔らかな表情を向ける。
「お前の誕生日だからな……」
思考は停止する。
「……あ……」
忘れていた。
「自分の誕生日ぐらい覚えておけ」
「だって……もうあんまり興味なくなるんです……」
もう若くない。年齢を重ねるのに喜ぶのは20歳までだ。あーやだやだ。
「寂しいことを言うな」
ベッドの中で裸で寝転んでいる私を、後ろから抱きしめるサソリさん。首に息がかかって、くすぐったい。
「花奏、誕生日おめでとう。
そばにこれからもいてくれ」
優しい声だった。
涙が滲んだ。
愛しいサソリさん。
「はい……もちろん、です」
言葉は掠れた。
私は嬉しくて嬉しくて、
笑みを浮かべて、頬に涙が伝った。
fin