第14章 ヤキモチ(サソリ)
「なぁ、花奏」
「ん?なに?デイダラ」
「なんか、頭についてんぞ、うん」
「え、どこどこ?取って?」
ふわりと柔らかい茶髪に優しく触れ、そのまま頬にも触れた。
「デ、デイダラ?取れた?」
「まだだ、うん」
反対側の髪も、触った。
オイラが花奏の両頬を手で触って、
キスをするように顔も近づけた。
「っ!? デイダラ!?だ、だめ…」
「ヤキモチ妬かせてーんだろ? 我慢しろ、うん」
「あ、あ、う、うん」
かぁぁっと赤らむ花奏を見て、オイラも、ついドキっとしちまった。そんな顔すんな。本気でやるぞ、うん。
あと少しってところで、オイラは動きを止めた。小さく笑みを浮かべて、振り返った。タイミング良く、旦那が帰ってきたからな。
「オイ、なにしてんだ、殺されたいのか?」
「サソリの旦那、おかえり。オイラ、ただ花奏の頭についた糸くず取ろうとしただけだぜ、うん」
「花奏に触るな」
「いや、オイラは…」
「次やったら殺す」
殺気を放ち、敵意むき出しでオイラを睨んだ。
旦那って…オイラより子供っぽいぜ、うん。
「花奏、ちょっと来い」
「サソリさん、どうしたの?」
「黙ってついて来い」
「待ってサソリさん、痛い痛い!」
花奏を強引に腕を
引っ張ってアジトから出て行った。
たぶん、当分帰ってこねーだろうな、うん。
連れて行かれた花奏の顔は、真っ赤だった。あんな可愛い顔して抱けるサソリの旦那が、すっげー羨ましいぜ、ほんと、うん。
オイラは溜息ついて頬杖ついて、
2人を見送った。
「デイダラ先輩、いいことありますよ、きっと」
「うるせーな、黙れトビ」
fin