第6章 約束
「ねぇ。」
もんもんとしてる間に彼に返答をねだられ、私はつい「まぁおでこくらいなら…」と答えると、彼はすぐさまおでこにチューをした。
「他もいい?」
「ま、まぁ口じゃなかったら…。」
と言ったのは間違いだとすぐに思い知らされる。
彼は「やった」と喜び、ほっぺ、首筋などにキスの雨を降らせ始めたのだ。
「ちょ、ちょっと…」
耳元にされると、体がビクッとする。すると彼の私の腰をホールドする腕の力が少し強まった気がした。
ひとしきりキスの雨を振らせたあと、彼はトロンとしたような瞳でこちらを見てきた。
「………なによ。」
「はぁ~~~~。」
彼は大きな溜息をついて、私の首に顔を埋めた。思わず身をよじろうとするが、ホールドされた身体は思うようには動かなかった。
「なんでもない…。」
くぐもった声が耳元で響く。