第8章 緋色のエピローグ
「赤井さんが沖矢さんに変装できるのは分かるけど、いくらなんでも身体は縮められないですよ」
「そういう得体の知れない研究を行っているのが、あの組織だ。おそらく工藤新一は奴らに何かされたんだ」
「・・・まさかぁ」
「では聞くが、彼が七歳である事の方がおかしくないか?彼は組織に手を掛けられて、あの姿になっていると考えた方が説明がつくと思うが」
「たしかに・・・」
「彼が自分から話してくれるまで、何も聞くつもりはないがな」
「そうですね・・・、ところで赤井さん!」
「急にどうした」
「赤井さんって・・・ジョディさんと何かあったんですか?」
「・・・かおりに隠し事は出来なさそうだな」
「やっぱり」
「・・・ジョディとは、過去に付き合っていた」
「今は?」
「ただの同僚だ」
「ジョディさんはそうは思ってなさそうでしたけど。赤井さんだって気付いてるでしょ?」
「・・・鋭いな。だが気にしなくていい。俺が愛しているのはかおりだけだ」
赤井さんがこちらに近付いてきて、頭を撫でられた。
思わず背中に手を回して抱きつく。
「嫉妬か?」
「分かんない・・・けど、ジョディさんって美人だし、おっぱい大きいし。赤井さんのことシュウって呼ぶし。わたしの知らない赤井さんをいっぱい知ってるんだと思うと・・・」
赤井さんの身体が小刻みに震え出す。・・・もしかして笑ってる?
上を見上げると、やはり笑われているようだ。
「お前は、可愛いな・・・っ」
「笑わないでください・・・わたしは全然面白くない」
「心配するな、かおりだけだ」
顎を掴まれて、唇が触れ合った。
「ねえ、わたしも赤井さんのこと名前で呼んでもいい?」
「いいに決まってるだろう・・・好きにしろ」
「・・・しゅう、いちさん?」
「なんだ」
「呼んでみただけです・・・」
やっと、この人が自分の恋人だと実感できるようになってきた・・・かな。
そもそも一緒に住んでて、身体の関係もあって。恋人になったとしても生活は特に変わらないと思ってたけど。
こんなフワフワした気分は、久しぶりだ。