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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第7章 緋色の帰還


「久しぶりだな・・・バーボン・・・いや今は安室透くんだったかな?」


降谷の顔が強ばる。一瞬で電話の相手が赤井だと気付いたようだ。


「君の連れの車をオシャカにしたお詫びにささやかな手土産を授けた・・・楠田陸道が自殺に使用した拳銃だ・・・入手ルートを探れば何か分かるかも知れん・・・ここは日本・・・そういう事はFBIより君らの方が畑だろ?」

「まさかお前、俺の正体を!?」

「組織にいた頃から疑ってはいたが・・・あだ名が“ゼロ”だとあのボウヤに漏らしたのは失敗だったな・・・ゼロとあだ名される名前は数少ない・・・それに君は葵かおりに近付きすぎた・・・おかげで調べやすかったよ・・・降谷零くん」


自分が公安の人間である事、しかも本名まで掴まれていた事に驚く降谷は何も言えず・・・ただ赤井の話を聞くことしか出来ない。


「俺の身柄を抑えてどうする気だったのかは知らんが、これだけは言っておく・・・目先の事に囚われて、狩るべき相手を見謝らないで頂きたい・・・君は、敵に回したくない男の一人なんでね・・・それと・・・彼のことは今でも悪かったと思っている・・・よし、キャメル車を出せ」


赤井はスマホを目の前の刑事に投げ渡し、キャメルは車を発進させる。


電話を切った降谷は、「帰る」と言い、かおりを呼び寄せる。

玄関先まで見送りに出てきたかおりに彼は問う。


「かおりさん、あなたはどこまでご存知なんですか」

「何のことを?ていうか、安室さんこそホント今日は何なんですか?」

「また今度、ゆっくりお話しします。今日は急にすみませんでした」


彼女の頬にキスを落として、降谷は工藤邸を後にした。
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