第7章 緋色の帰還
日が沈み夜になる。
コナン達の言動により、ジョディは赤井秀一の死に疑いを持ち、真相を探る為、赤井が殺されたことになっている場所、来葉峠へキャメル捜査官と共に向かう。
その車の後部座席にその赤井が潜んでいるとも知らずに。
更にその車の後を、公安警察が追尾する。
目的地の峠にも、既に先回りしている公安の車が数台。
公安の目的は、ジョディ達を人質として捕らえ、沖矢に扮している赤井を表へ引っ張り出すこと。
程なくして、米花町にも降谷零の率いる公安警察官達が現れた。
全て、江戸川コナンの推測通りに事は運んでいる。
「聞こえてるよね?家の側に人影が・・・七人かな・・・?ひとりは安室さん、連れてるのは雰囲気的に組織の奴らじゃない、おそらく公安・・・安室さんが来るよ!」
コナンが状況をマイクに向かって話す。それを各々が耳に付けた小型のスピーカーから聞く。
一同、緊張感が高まる。
降谷が工藤邸のチャイムを鳴らし、沖矢昴に変装中の優作が対応する。
「こんばんは・・・安室透です」
「ああ、かおりさんのご友人の」
玄関先でかおりと優作が出迎える。
「こんばんは!安室さん。急にどうしたんですか?」
「少し沖矢さんと話がしたいんですが・・・中に入っても構いませんか?」
「僕とですか?ええ、あなた一人なら・・・申し訳ありませんが、外で待たれてるお連れの方達は御遠慮願います」
「気にしないでください。彼らは外で待つのが好きなので・・・でも、あなたの返答や行動次第で全員お邪魔する羽目になるかもしれませんけどね」
降谷を家に招き入れ、リビングに通し、かおりは紅茶を用意しにキッチンへ。
降谷は、赤井の死の真相、そのトリック、そして現在赤井は沖矢に変装しているのだと語りだした。
さすがゼロ。さすが組織随一の探り屋。彼の述べた推測は、事実と違わなかった。
「現在私の連れが、あなたの仲間を拘束すべく追跡中・・・さすがのあなたもお仲間の生死がかかれば、素直になってくれると思いまして・・・でもできれば、その前にそのマスクを取ってくれませんかね、沖矢昴さん・・・いや・・・FBI捜査官・・・赤井秀一!」
「君がそれを望むのなら・・・仕方ない」
優作は変声機の付いたマスクを手にかけ、ゆっくりと外す。