第7章 緋色の帰還
しばらくすると、隣の阿笠博士が訪ねてきた。
メカに関しては彼に一任している。
変装中に工藤さんが使う、マスク型変声機を渡され、改めて作戦の確認をし終わると、意気揚々と彼は話し出した。
「聞いてくれ!今度ワシの発明品をテレビで取り上げてもらえるそうじゃ!」
「紹介できるまともなモンあんのか?ハカセ」
「変声機は素晴らしい発明だが・・・くれぐれも内密に頼みますよ」
「そうじゃな。まだテレビ局から正式な依頼はないんじゃが、今朝から局の人間が近所でワシの発明品の評判を取材しているそうじゃよ!」
阿笠さん以外の三人と目を合わせる。
「・・・それ、安室さんじゃない?」
口を開いたのはかおりだった。
俺もそう思う。工藤親子も同意見のようだ。
「な・・・なんじゃと?」
「今日間違いなく、彼は来るな」
「では俺は出るとしよう。コチラはよろしくお願いしますね、工藤さん、ボウヤ、それからかおりも」
俺は適当な変装で顔を隠して、ジョディ達のいる場所を目指す。