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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第7章 緋色の帰還


かおりが階段を降りきったのを画面上で確認すると、ボウヤが切り出した。


「ねえ、赤井さんとかおりさんって、もしかして付き合ってる?」

「ん?そうだな、そういう事になるな。愛し合っている」


画面の中をパタパタと歩くかおりを見ながら答える。


「それって、どっちかが告白、したの?」

「泣きながらかおりに好きだと言われた」

「で、赤井さんは?」

「この状況だからな、迷ったが、俺も好きだと伝えた」

「やっぱりそうだよなー・・・」

「どうした、恋の悩みか?」

「ち、ちげーよ!二人がどうなってるのか確認したかっただけだ」


そっぽを向くボウヤ。彼は相当頭はキレるが、恋愛に関しての知識は見た目通りなのかもしれん。


「ボウヤなら分かっていると思うが、俺達はあの組織を敵に回しているということを、忘れるなよ」

「そんなこと、分かってる」

「大事なモノを作れば、それが最大の弱点にもなる」

「そうなんだよなー・・・っ」


かつて世間を騒がせていた工藤新一。俺はボウヤの正体は彼だと思っている。
工藤新一ともなれば相当周りからチヤホヤされていただろうし、彼女の一人や二人いて当然だと思っていたが。
こんなに可愛らしいボウヤだったとは。


「かおりにでも相談してみたらどうだ?」

「かおりさんに?」

「この俺を堕とした女だ。そしておそらくバーボンも・・・」

「・・・安室さんまで?」

「そう。ことかおりに関しては、彼は敵だ」

「あのさー、今回の計画の目的、忘れないでよね、赤井さん」

「そうだな・・・」


画面の中のかおりがコーヒーをトレーに乗せて戻ってくる。
暫し三人でそれを飲んで休んでいると、工藤優作さんも帰ってきて、改めて作戦の内容を確認し合った。



洗面所で工藤さんを沖矢昴に変装させると・・・奇妙だ。俺が二人居るような。

今日俺は変装していないから、赤井と沖矢が二人同時に鏡の中に居る訳だが。

かおりは目をキラキラさせて俺達を交互に眺めている。


「やば!うわーまさか二人を同時に見れるなんて・・・」

「お前が好きなのは俺だろ?沖矢は見るな」

「かおりちゃん、そんな目で見ないでくれ。中身は私なんだから」

「分かってるんですけど・・・見ちゃいますね」
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