第7章 緋色の帰還
翌日。
朝一で眼鏡のボウヤがやってきた。
変声機を通して毛利小五郎の声を出し、「コナンは風邪なので休ませる」と学校へ連絡を入れる姿はなんとも可笑しい。
かおりと声を出さずに笑って見ていると、電話を切った彼に睨まれた。
「コナンくん、ズル休み?」
「悪い?」
「いいや。今日は頼むぞ、ボウヤ」
本日ボウヤが使う、二階の部屋へ移動する。
「え、なに・・・この部屋」モニターだらけの机の上を見たかおりが驚く。
そのモニターの電源を入れ、しばらくすると、その画面には、工藤邸の玄関、廊下、リビング等が様々な角度から映っていて、更に彼女は驚く。
「これ、いつからあったの?」
「割と最近だよな」
「うん、かおりさんが安室さんと泊まりで出掛けてたときだよ」
「待って待って!え!?」
かおりが俺の肩を叩き、小声で何か言いたそうにしているので、頭を彼女の高さまで近づけてやる。
「あの、まさか、録画なんてしてないですよね!?」
「撮られたら困ることでもあるのか?」
「だって!この間だって、赤井さんとあそこで・・・」
彼女は頬を赤らめ俯く。
おそらく、俺とのセックスやらが映っているのではと心配しているんだろう。
「まだ録画はしてないよな?ボウヤ」
「そうだよ?今から録画に切り替えるけど、いい?」
「ああ」「わかった」
「ったく、ヒトんちで何やってんだか・・・」
先程の会話が聞こえていたのか、ボウヤが呟いた。
「すまんな、ボウヤ。優作さんには内密にしてくれ」
「いいけど、忘れないでよね、ここは優作おじさんの家だってこと」
「わかったわかった。かおり、コーヒーを持ってきてくれんか」
「ボクはアイスがいいなー!濃いめに出して氷入れてくれればいいから!」
「はーい。行ってきます」
かおりが部屋を出ていく。