第7章 緋色の帰還
「今日はわたしがごはん作りますね、赤井さん疲れてるでしょ?」
「ああ、頼む」
眼鏡のボウヤと阿笠さんが帰ると、かおりがエプロンを手にしてキッチンへ向かう。
普段は四六時中家に居る俺が食事の用意をすることがほとんどだが、今日のように彼女が作ってくれることもある。
冷蔵庫内をサッと見て、ちゃっちゃと料理を作れる女は凄いと思う。しかもかおりの料理は何を食ってもそこそこ美味い。
もうひとつおまけに、彼女のエプロン姿は、なんとも可愛いらしい。
これから事務所の一階の喫茶店で働くと言っていたが。
バーボンがどうこうは置いておき・・・これはオッサンの常連が増えそうだ。
変装を解いて、キッチンの端から料理を作る彼女を眺めていた。
背中から腰、尻へとカーブを描く身体の線が、セクシーである。
形の良い丸い尻に誘われて、つい身体が動く。
かおりの背後に立ち、尻に手を重ねた。弾力を楽しみながら撫でる。
「ちょっと、赤井さん」
「なんだ」
「邪魔しないでください」
「いいだろ、これくらい」
耳に唇を付けると、明らかに反応するかおりの身体。
「だから、だめ、です」
ほんのり赤く染まる彼女の頬が可愛くて仕方ない。加虐心を煽られるのだ。もう少し、虐めてやりたい。
エプロンの端から手を入れて柔らかい乳房を掴み、赤い頬に口付けると、彼女はついに怒りだした。
「もう!あっち行ってて!」
ちっとも怖くはないが。これ以上虐めると俺も止められなくなりそうなのでテーブルに退避した。
その後出来上がった料理を平らげ、ソファで寛いでいると、
きたきた。
食器を片付けたかおりが隣にちょこんと座る。
肩に手を回せば、こちらに寄り添い俺の肩に頭を預けてくる。
・・・まるで飼い慣らされた猫だ。可愛すぎる。
直ぐにここで押し倒してしまいたい欲に駆られるが、そこは抑えてしばらくこの穏やかな時間を楽しむことにした。
FBIでも沖矢でもない、ただの“赤井秀一”として過ごせる瞬間だ。