第6章 気付けば彼のことばかり
帰ってきたかおりが急に泣き出したときは、柄にもなく戸惑った。
涙を流しながら好きだと言われ、抑えていた感情はもう止められず、かおりの思いに応えた。
組織を壊滅させて、状況が落ち着くまではこうなるべきでは無いと考えていたが。
これで、良かったのか?
彼女は、俺と一緒になる覚悟はできているのか。
今の俺は、外をこの姿で歩くこともできない。
友人に紹介する事もできない。
しかし何があってもかおりは自分が守る、それだけは間違いない。
腕の中で幸せそうに笑うかおりに、ずっとこんな顔をさせてやりたい。