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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第1章 米花町2丁目21番地


かおりが再び沖矢の事で頭がいっぱいになっている頃、工藤邸の廊下にて。


「赤井さんはかおりさんのこと、どう思った?」


コナンと、沖矢昴こと赤井秀一が、小声で話し込む。

赤井は壁に軽くもたれ、喉元の小さな機械を操作し、ニヤリと笑う。


「どうって、良い女だな。優しく甘やかしてやろうか、強引に虐めてやろうか、どちらがいい?」

「ボク子どもだから・・・ってそういう事じゃなくて!」

「・・・俺は気に入った」

「もし変装がバレたら?」

「それまでに彼女をこちら側に手なずけておけばいいだろう。既に彼女は沖矢に夢中のようだし、簡単なことだ」

「赤井さん、かおりさんに何する気なの」

「それは子どものボウヤには、教えられないな」

「今度は子ども扱いかよ。でも、かおりさんを悲しませるようなことはしないでよね」

「ああ。沖矢は俺と違って優しいからな。赤井で出会ってたら既に押し倒してたかもしれんが」

「赤井さん」

「心配するな、泣かせるのは最中だけにしておく」

「もう任せるよ・・・」


赤井は喉元を再度いじり、コナンと共に応接室へ戻る。


「ごめんなさーい!待たせちゃったね!今からかおりさん達に使ってもらう部屋とか案内するから荷物も持ってきて!」


かおりに用意された部屋は、普段は来客用の部屋らしく、明るい色調の室内に、大きなフカフカのベッド、冷蔵庫、ソファにテーブルにテレビまであってまるでホテルの一室だ。

沖矢の部屋も本来は来客用の部屋で、かおりの部屋の隣。
作りは似ているがインテリアの色合いがシックで、また違った雰囲気の部屋。


キッチンや風呂場なども周ると、コナンは一旦帰宅すると言って帰っていった。

工藤夫妻が帰ってくるまで、各々自由に行動することになり。


かおりは自室に入り、持参してきた荷物の片付けを終えると、大きなベッドの真ん中に寝転んでみる。

身体を包み込むように沈む寝心地。

移動で疲れたのか、だんだん瞼が重くなってきて。




そこに沖矢がやってきて、ドアを二回程軽くノックした。


「かおりさん、少しいいですか」
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