第5章 お兄さんには内緒で
チュッ・・・っと、こめかみに口付けられた。
後ろを振り返って彼を見上げれば、唇が吸い寄せられるように重なる。
優しくて、柔らかくて、でも情熱的で・・・
彼の腕の中の居心地がよくて、一瞬目的を忘れかける・・・
でもそこでわたしの電話の着信音が静かな部屋に鳴り響いた。
直感的に、相手は赤井さんだと感じる。バーボンに溺れるなって、警告なのか。しかもこのタイミング。今もどこかから見てるんだろうか。
でも、おかげで頭の中はリセットできた。 絶対に彼の策には、溺れない。
「電話、鳴ってますよ」
「いいんです、どうせ沖矢さんでしょ」
安室さんにキスの続きを強請る。
「じゃあ、遠慮なくいただきます」
唇の感触を楽しむように、そっと触れたり、唇で挟んだり。
次第に息も上がってきて、それは官能的なキスへと変わっていく。
唇を吸われて、舌で入口をなぞられる。薄く唇を開いて、彼を迎え入れ、舌が絡まる。その柔らかい感触が気持ちいい。
「んっ・・・はぁ・・・」
「かおりさん・・・」
ふわ・・・っと身体の力が抜けていき、彼の腕に支えられる。
ベッドに座らされ、脱がすのが惜しいと言われていた服も結局は丁寧に脱がされて。
下着だけになった身体へ視線が注がれる。
「・・・あんまり見ないでください」
腕を胸の前で交差させて恥じらう。
「すごく綺麗なのに。もっと見せてください」
「キャっ・・・安室さん・・・!」
腕を掴まれて組み敷かれた。
真っ直ぐにこちらを見つめてくる彼の瞳は、先程までとは違い妖艶な色を帯びていて。
着ているシャツの首元のボタンを片手で無造作に外す仕草は、物凄くセクシーで、彼から目が離せない。
身体の至る所に口付けられていく。
二の腕の内側や太ももに甘く噛みつかれて、舌で舐められると、声が出そう。
「はぁ・・・あ・・・っ」
「可愛い・・・」
耳元で囁かれて耳もたっぷり弄られる。彼の吐息と湿った音がダイレクトに響く。
「あぁっ・・・ぁ・・・は」
「かおりさん・・・」
下着の上から乳房を揉まれて、膨らみに沿って舌が這う。
「はぁ・・・安室さん・・・っ」
ホックを外されて、ブラを取り払われた。
「こんなに・・・綺麗だったんですね・・・」