第29章 捕われた子猫
工藤邸にはコナンくんに有希子さん、ジョディさんとキャメルさんがいて。
優作さんとジェイムズさんは警察で事情を説明しているそうで姿は無く、零と風見さんも今は警察庁舎にいるらしい。
結局どういうことだったのかと言うと・・・
あのバーのあるビルの地下には隠し通路があり、その通路の先はビルの裏手にある総合病院の地下室と繋がっていたらしい。
そこでコナンくん達が最初に目にしたのは、立派な造りの箱に寝かされていた、防腐処理を施された人間の遺体で・・・一緒に仕舞われていた遺品等の紋章からして、それは数十年前に死んだと言われていた組織のボス、烏丸蓮耶だと思われる。
その他にも、これらは簡素な箱に入れられていたが、多数の遺体もそこにはあり。
遺体やその地下室にあった書類やパソコンをざっと調べた所、組織は遺体に対して人体実験を行っている形跡がみられた。中には生きている人体に対しての記録も・・・
人体は病院から提供されていると考えるのが妥当か。
そしてそこにあった薬品、器具や装置等はおそらくヒトに使うとしたら無認可、違法性が極めて高そうな物ばかり。
ベルモットが宗介さん達を監禁している事、わたしが誘拐された事も含め、彼らを罪に問える材料は山盛りとなった。
まずは地下の現場を押さえ、組織の実質トップであるラム、そしてジンとベルモット、彼らを同時に逮捕し身柄を拘束すれば、おそらくこれらの証拠は隠蔽されずに罪に問える。これだけあればいける筈。
優作さんの判断で、FBI、公安の捜査官達が連携して三人の逮捕に踏み切った。
現在組織のその三人の身柄は公安が持っていて、間もなく取調べが開始されるとのこと。
宗介さん達の監禁されている場所には、現在医療チームも含めた特殊警官達が向かっていて、彼らの身体に埋め込まれたチップを取り出し、処置が済み次第、全員東京に戻ってくるそうだ。
・・・彼らは死者を蘇らせようとしていたのだろうか。もしも烏丸蓮耶を復活させる事ができたとして、何をしたかったのか。
それは本人達が口を割らない限り知り得られない事だけど・・・とにかく、これで遂に組織は壊滅か・・・
「これで・・・終わったんですね・・・」
「・・・甘いぞかおり、いくらあの三人を抑えたからと言って、組織は消えて無くなりはせん。これからは後始末だ」