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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第28章 烏羽色の尻尾


東京、工藤邸を目指し走る車の中。

話題は専らベルモットと思われる人物の謎の行動。

彼女には、組織の中で何かなし得たい目的があり、それを果たせば後はどうなってもいいと考えてる・・・ということになるのか。

そして、人を殺すことはしたくない?その辺だけはまともな神経の持ち主なのか?

早く優作さん、コナンくん、そして零の耳に入れて意見を聞きたいけど、道のりは長い・・・



「かおりは寝ていればいいぞ、少しでも休んでおけ」

「ダメですよ・・・だったらわたしが運転するから秀一さんが休んでください」

「生憎俺は全く疲れていない。自分の体力の事を考えろ。帰ってからも夜中までまだまだ動くことになるぞ」

「え・・・でも・・・」

「いいから、目を閉じろ、喋るな」


ポンと肩に手を置かれ。頭を撫でられ・・・

いつもならすんなり寝れそうな状況なのにこういう時に限って眠れない。神経が高ぶってるんだろう。

とりあえず瞼を閉じて、黙って深呼吸する。


そりゃあ、秀一さんの方がわたしなんかより遥かに体力はあるけどさ・・・
いつもいつも、してもらってばっかりだ・・・


秀一さんはずっと優しくゆっくり頭を撫でてくる。

・・・早く寝たフリをした方が彼の手が疲れないで済むかもしれない。

そう思い黙ってシートにもたれていたら・・・


気付いた時には車はもう都内のようで。見えた看板の情報では、首都高を降り一般道へ入るみたいだった。もう空は暗い・・・


「すみません・・・本気で寝てた・・・」

「ぐっすりだったな。しかしまたちょうどいい所で起きるものだな」

「へへ・・・」


工藤邸に着くと、夫妻と共にコナンくんもいて。

零と風見さんが既に張り込みを開始していると聞かされる。まだ動きは特に無いそうだ。
張り込みは、深夜にジョディさん、キャメルさんと交代する予定だそう。


わたし達は宗介さんに聞いてきた事を話した。


「ベルモットは、たしかに・・・完全な悪人じゃないのかもしれないね」

「コナンくんがそう思うの?」

「実はボクも殺されるかと思ったけど殺されなかった事があるんだ」

「っえ!」

「一体奴は何を企んでいるんだ?」


やっぱり彼女の目的は誰にも見当がつかない。
金や地位とか、そんなものでは無く、何か得体の知れない不気味な目的があると思われるのだが。
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