第27章 遂に動き出せる
まず零から、例のメールの送信元は、都内在住の男子大学生のアカウントだ、と報告された。
何故そこから送信されたのかはまだ分からないが、一度話を聞きに行く必要がある。
それから、見張れと言われた店の周りを車で走り、写真を撮ってきたのでどうぞ、とスマホを広げ見せられた。
ココの張り込みは誰が行うか。
昴さんはまず無いとして(中身が赤井秀一だとは言えない)、工藤夫妻は経験も無ければ有名人だから尚更無し(変装術の事は零には言えないし)、・・・残りは、零とわたし、コナンくん、FBIもしくは公安の捜査官となってくる。
「かおりさんはダメだ」と零が言う。
「それならコナンくんだって無しだよ、危ない」とわたしも言う。
(彼の中身が新一くんだとも言えないし)
でもコナンくんは、「ボクは大丈夫だよ?子供の方が相手も油断するだろうし」と言い出し・・・
結局、わたしもコナンくんも駄目だと言われて・・・二人して肩を落とす。
「でもかおりさんには、メールの送信元の学生の所に僕と一緒に来てもらいたいと思ってます。もし彼が宗介さんと接触しているのなら、人相の確認も必要になるでしょう」
しかし「それくらい写真で済むのでは?」と昴さんが鋭く切り込んできて。
零は「かおりさんでないと分からない事もあるかもしれないじゃないですか」と、面白くなさそうに答えた。
「では僕も同行します」
「昴さんが?」
「あなたが?ええ、まあ構いませんけど・・・張り込みには僕の部下で一人使える者がいます。FBIからは人員は出せそうなんですか?勿論、赤井以外で」
「ジョディ君とキャメル君の二名を使ってくれと言われているよ。面識はあるかな?」と優作さんが告げた。
「ええ、何度か・・・」
零の部下というのはやはり風見さんのようで。零、風見さん、ジョディさん、キャメルさんで交替しながら、24時間絶えず張り込む事に決まる。
最後に、全ての指揮を執る司令塔は誰にするかだが。
これは満場一致で優作さんに決まった。
優作さんには絶えず連絡を取れる状態でいてもらい、何かあれば指示を出してもらう。
そのサポートに、コナンくんと有希子さんが着くという形。
張り込む気満々だったわたしとしては、少々歯痒いけど。円滑にこの計画を遂行するには、これがベストなんだろうか。