第27章 遂に動き出せる
早々に帰宅すると、昴さんの姿の秀一さんはどうやら昼寝してたようで・・・なんとも眠たそうな顔でソファから起き上がり、時計を見て、わたしの早い帰宅に顔を顰めた。
早く帰ってきた訳を話し始めると、彼の寝起きの顔は一変して真剣な顔付きに変わったけど。
メールを送ってきたのは、宗介さんの可能性が高い。自分の居場所か、もしくはあの組織に繋がる何らかの情報を伝えてきているんだと思われる。
罠の可能性は低い。こんな回りくどい方法を取る位なら、岡田探偵事務所も葵かおりも、とっくに消されてる筈。
秀一さんもそういう見解だったのでとりあえず安心した。
「わたしは宗介さんがほんとに生きてた事がまず嬉しいですー・・・」
「ああ、良かったな。それにこれは、大きな進展になるかもしれん」
「はい。それで今夜、優作さんとコナンくんと降谷零を交えて集まろうって話になってて・・・秀一さんも参加してもらいたい所なんですけど・・・でも」
「なんだ?」
「あの・・・言いにくいんですけど、降谷零が、赤井秀一と手を組むのはゴメンだって・・・」
「だろうな。沖矢で参加するか・・・」
「でも沖矢昴って・・・張り込みとかしないですよね、学生だし」
「眼鏡のボウヤだって小学生だが?・・・俺はかおりの保護者として行くか・・・」
「ほごしゃ・・・」
結局、昴さんはわたしが心配だから一緒に話を聞きに来た、という体で参加することになり。
しばらくして優作さんからも、工藤邸に集まってくれと連絡があり。
零にその事を伝えて、まだ夕方前だが工藤邸に昴さんと二人で向かう。
工藤邸に着くと、庭にはやっぱり落ち葉が沢山。風が吹く度に舞ってカラカラと転がっていた。
家の中に入ると既にコナンくんが来ていたので、早速工藤夫妻とコナンくんに今日のメールの件を話した。
夕食の準備をしだした有希子さんを手伝っている内に夜になり、零が工藤邸を訪ねてきて。
零を普通に迎え入れた優作さんにに少し驚く・・・初対面じゃなかったのか。
そういえば零って新一くんの事探ってるんじゃなかったか?工藤邸に招いて大丈夫なのか?と今更不安も過ぎるがそんな事は零の手前で口に出せず。
六人で食卓を囲み、会食とは名ばかりの作戦会議が始まった。