第25章 異次元の狙撃手、その裏側。
自宅に帰り、テレビを付けて。チャンネルを次々変えてみる。各局ニュース番組を放送しているが、新たな狙撃に関するニュースは見当たらない。
スマホを見ても、“沖矢昴”からの新しいメッセージは無い。
食事の準備をして、お風呂に入り。秀一さんの無事と任務の成功を祈り、彼の帰りを待った。
まだかまだなのかと待つ中、テレビにベルツリータワーで爆発が起こったとの速報が流れ、めちゃくちゃ不安を煽られ。
ほとんど何も手につかないままどれくらい経っただろうか・・・
やっと秀一さんが帰宅してきた。
玄関まで迎えに行くと、なんだろう、煙のような火薬のようなニオイがする。
「おかえりなさい!」
「ああ」
靴を脱ぎ部屋に上がってきた昴さんの格好の彼にキュッと抱きつく。とにかく、ちゃんと帰ってきてくれて良かった。
「おかえりなさいー・・・」
「おい、あまりくっつくと汚れる」
「うん、なんか変なニオイしますね・・・でもいい」
「ライフルはやはり臭うな」
「これ銃のニオイなんですか?爆弾の近くにいたのかと思った・・・よかったぁ・・・」
更にギュッと彼の身体を引き寄せて、胸に顔を埋めると、頭の後ろを撫でられ・・・秀一さんが大きく息を吐いた。
「ボウヤは足を捻挫したようだが皆大丈夫だ。死人も出ていない。心配かけたな・・・終わったぞ」
変装を剥がしながらお風呂場に向かう秀一さんの着ていた上着を預かる。これはクリーニング行きだな・・・
お風呂から上がった秀一さんとビールで祝杯をあげ、食事をしながら、まずは今日の彼の話を聞かせてもらった。
色々あったがとにかく犯人の身柄確保はでき、FBI本部にはなんとか体裁を保てたそうだ。
秀一さんが遠く離れた場所からライフルで犯人の銃を撃ち壊したからこそ犯人を確保できたそうだが、コナンくんの協力無しでは難しかったかもしれないそう・・・
「しかし今日のあの狙撃を失敗せずにできるのは、今世界で俺一人だけだろうな」と秀一さんは言う。
改めて秀一さんとコナンくんのすごさに感嘆しつつ・・・
次は自分の話もできるかな、とだんだん顔がニヤけてきてしまう。
「えらく楽しそうじゃないか」
「・・・はい。実はすっごく話したい事があるんです!」
とりあえず食卓とキッチンを片付けて、改めてお酒を用意してソファに移る。