第25章 異次元の狙撃手、その裏側。
「う、あっ・・・ちょ、っと、零・・・」
二人きりになり、抑えていた何かが外れたのか。部屋に入るなり急に強く抱き締められる。
零はそのまま背中や腰を強く撫で回してきて、小さな火が点いたみたいにわたしの身体の中心も熱を持ち始める。
ようやく靴を脱げたと思ったら、上がってすぐの壁に背中を押し付けられ、唇を塞がれる。
熱い舌に口内をくまなく舐め取られ、舌が絡まれば、強く吸われる。
角度を変えては何度も唇が重なり。零の手が乳房を掴み、反対の手では臀部を強く撫で上げてきた。お尻を強く引き寄せられ、お腹の辺りに彼の硬くなったトコロを押し付けられ・・・
唇が解放される頃にはすっかり息が上がっていて。
見上げた零の瞳は熱っぽくて、少し目尻も赤い。
くらりと眩暈を起こしてしまいそうになり、彼の腕にしがみ付く。
短く息を吸っては吐き出し、途切れ途切れになりながらなんとか言葉を発する。
「れい・・・ベッド、行こ・・・」
「ああ。全く・・・これじゃどっちが誘ってるんだか分からないな・・・」
零はボソボソ呟きながら、わたしの身体を抱えて部屋の中へと移動する。
背中からベッドに沈められ、覆い被さってくる零の身体に腕を回す。
お互いの唇を唇で食み、啄むようなキスを何度も繰り返して、頬に置かれた手の指先が、耳の端をくすぐってくる。ふわっと意識が遠のいて、身体から力が抜けていく。
「ひゃっ・・・」
「可愛い・・・寒くないか?」
「・・・だい、じょぶ、だから、零も・・・」
服を脱がされ、ひんやりしたシーツが肌に触れて、思わず変な声が出た。
寒くはない。でも零の肌の温かさを無性に感じたくて、彼の服の裾から手を差し込む。
着ていたものを全て床に放り、肌が重なり・・・すべすべの広い背中を抱き締める。
「んー・・・きもちいい・・・」
「今からもっと気持ちいいことするんだけどな・・・」
「っあ・・・ぁ・・・」
耳を甘く噛まれ、舌を這わされて。ゾクゾクと全身が震え出す。
「うん・・・良い顔。見てみろよ」
「ん・・・っ!や・・・っ」
頭を横にひねられ、ベッド際の壁が鏡面であったことに気付かされた。
すぐに目を背けたけど、そこで何も纏わぬ姿で重なっていた二つの身体は、間違いなくわたしと零だった。