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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第25章 異次元の狙撃手、その裏側。


「警視庁の一課とFBIが合同で捜査してるらしいな」

「あ、やっぱり知ってるんだ」


まったり昼下がりを過ごせるのかと思いきや零は“まったり”とは程遠い話題をぶち込んできた。
例の狙撃事件の話だろう。


「都内で起きた大きい事件は大体把握してる・・・赤井も捜査に参加してるのか?」

「知らなーい・・・でも犯人スナイパーなんでしょ?有り得るんじゃない・・・」

「全く・・・狙撃手なんてロクな奴がいないな」

「・・・それは言い過ぎ」

「せっかく日本の警察が協力してやってるんだ、さっさと解決して国に帰ればいいのに」


零の顔が怖い。どこか遠くを睨むように目を細めている彼の横顔をじーっと眺める。

視線に気付いたのか、彼がこちらを向く。
瞬時に彼の顔から力が抜け、顔付きはいつもの彼に戻ったように見えるが。


「零、あんまり怖い顔してるとイケメンが台無し」

「そうか?安室じゃないとどうしても・・・表情のコントロールが疎かになるな・・・っ!」

「それは別にいいけどさ・・・」


零は座ったまま両腕を高く上げて大きな伸びをする。


「かおりさん見てるとつい気が緩むと言うか・・・ほら、今も欠伸が出そうだ・・・」


自身の口元を手で覆う零を横目に、馬鹿にしてるのか、とムッと小さく膨れてみると、身体を横に倒され頭は彼の片腿の上。頬をふにっと摘まれる。
起き上がろうとしても抱き込まれるように腕が回ってきて動けず。

諦めて身体の力を抜けば、手のひらが優しく肩を撫でてくる。

じっとそのままでいると、零の体温が心地良くて徐々に眠気に誘われ瞼が重くなってくる。


「・・・本当・・・小さくて可愛いよ」

「え?」

「かおりさんが可愛いって言ったんだ」

「すぐ眠たくなるもんね」

「それだけじゃない。全部・・・」


身体を捩って零に擦り寄り、彼のお腹の辺りに顔を寄せる。
後頭部をゆっくりと撫でられ、顔に掛かっていた髪を耳の方へ払われて、こめかみに口付けられた。

唇が離れる時の小さな音が、耳に心地良く入ってくる。

・・・ウトウトしてきて・・・瞼が落ち。

少しの時間を、穏やかに過ごした。
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