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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第24章 交わらない男達の二日間


酔いも覚めそうな話に鳥肌が立ちそうになる。

でもいくら体内に痕跡が残らないとはいえ、零なら何かに刺されて眠気に襲われたら“おかしい”と考えるのではないか。昴さんに尋ねる。


「ええ、昼間に刺せば彼は気付くでしょう。でも例えば大量に酒を飲んだ夜中ならどうですか?しかもここのような山の中だったら」

「普通に眠ってしまったんだと思うかもしれませんね、刺された感触があっても虫かと思うかも」

「そうでしょう」

「・・・あの、刺すつもりなんですか?」

「さあ・・・」


いよいよ本当に酔いが覚めてきた。それに、せっかく二人きりなのに甘い雰囲気の欠片もない。さっきのキスは何だったのか。
ぼんやりと空を見上げる。零と出てきた時と変わらず、雲は少なくて、無数の星がきらきらしてる。


「でもあれです、今日は一度も安室さんから昴さんの正体について聞かれませんでしたねー。何も企んでないといいんですけど」

「僕もです・・・強いて挙げるなら先程の僕の“顔色が変わってない”という発言でしょうか」

「あー、わたしもちょっとドキッとしました」




暫く色気の無い話をしながら川辺で過ごし、また皆の寝ている小屋へ戻る。


静かな室内に戻ってきて、一度梓さんと安室さんの様子をそれぞれ確認してみる。

寝室のドアを開けて中を覗くと、二人とも寝ているようだ。(安室透は寝てるフリかもしれないけど)

声を出さず顔を見合わせて、頷き合い。

そーっと寝室のドアを閉めるとすぐに、昴さんに肩を掴まれ身体が反転し、壁へと背中を押しつけられた。

物凄く近くから見つめられ、腰を抱かれ身動きが取れない。
ただでさえ近いのに、昴さんは更に距離を詰めてきて。突然身体のあちこちが彼と触れて、どうしたらいいものか、アタフタしてしまいそうになる。
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