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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第24章 交わらない男達の二日間


「安室さんはそんなに料理が上手なんですか?」

「いえ、僕なんて大したことありません・・・」

「何謙遜してるんですか!安室さんの料理はプロ並みですよー!昴さんも食べれば分かります!」

「それだけ楽しそうにされると少し妬けますね」

「あ・・・もちろん昴さんの作ってくれるご飯も大好きですよ!」

「でもたとえどんなに大好きな料理でも、毎日食べていたらいつの間にか飽きてしまうものです。たまに違うものを食べるからいつもの料理も美味しく感じる訳で・・・」

「成程・・・」

「ん・・・?うん」


安室さんがどうも意味深っぽい発言をぶっ込んできた。

それって俗に言う、たまには浮気した方が、より本来のパートナーの良さを感じられる、って意味なのか?

それを意図しているのかは知らないけど、それなら何もこんな状況の時に言わなくてもいいのに。

一旦頭の端に置いていた先程の出来事をまた思い出してしまう。
その記憶をまた端に追いやり、今度は蓋をして勝手に出てこないよう鍵をかけた。




そのうちママ達も帰ってきて、夫妻は赤ワインを飲み出して。

安室さんの料理も出来上がって、寂しかったテーブルの上もだいぶ賑やかになった。


「お待たせしました!夏野菜のガーリックソテーと、きのこと牛肉の焼き浸しです」

「っー!いい匂い・・・」

「とても余り物とは思えないですね」

「さすがねぇ、安室くん」

「ありがとうございます!でも梓さんには内緒にしておきましょう」

「はーい・・・いただきます!」



期待を裏切ること無い美味しい料理をつまみながら、それぞれお酒を飲み進めた。



ママとマスターが随分前からほろ酔い加減なのは承知している。
おそらく二人とも、今カップに入っているワインを飲み干すのが関の山だろう。

昴さんと安室さんに関しては、二人とも全く酒に飲まれた感はなく、恐ろしいくらい平常。
今作った料理を安室さんが説明し、昴さんが感心して・・・といった感じ。

でもそもそも・・・記憶を辿るが、彼らが酒に酔った姿というのは・・・見たことがないかもしれない。

ちなみにわたしは気持ちが良い程度に酔っている。

ママ達がこの場にいるのはもうそんなに長くないと仮定すると、果たしてわたしは役に立てるのだろうか・・・
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