第24章 交わらない男達の二日間
川に入った三人の様子を見ながら、ママはクスクスと小さく笑い。梓は「うわ、あざとーい」と漏らし。
黄色と抹茶のかき氷をサクサクとつつく。
「かおりさんも大変ですねーママ?」
「そうねぇ。やっぱり今回昴くんも誘ってよかったわぁ」
素材や大きさにもよるが、濡れた長袖の服を着るのは結構難しい。
かおりは洗われたパーカーに再度腕を通すのを諦め、安室透の策略通り何も纏わぬ水着姿になるのだった。
その後も彼らは子どものように川遊びを満喫し、そのうちマスターも上流からホクホク顔で帰ってきて。
パラソルやらを片付けて、小屋へ戻り、順にシャワーを浴び。それぞれ酒を片手にバーベキューを始めた。
それが終わる頃には日も落ちかけていて。片付けを済ませてまた六人は小屋の中へ戻った。
梓さんはいつもの事だけど誰よりも早く酔っ払って、一人テンション高くマスターに絡んでいる。
ママはまたも昴さんにベッタリだ。
わたしは安室さんと二人その様子をつまみにお酒を飲んでいたんだけど・・・
「ちょっと外に出ませんか?」
「いいけど?」
彼と二人、外に出た。
所々に外灯はあるものの、結構暗い。スマホのライトで足元を照らしながら歩き、少し離れた所の芝生に腰を降ろす。
ライトを消すと辺りはほぼ暗闇だ。
でもその代わり空には沢山の星が見えて・・・二人して寝転がり、星を眺める。
「久しぶりだな、かおりさんとこうやってゆっくりできるのは・・・」
「れ、零・・・で大丈夫なの、かな?」
「ああ、誰も来ないだろ」
「ほんと、久しぶりだね・・・」
「最近かおりさん、僕を避けてるだろ」
「ああ・・・やっぱり分かるよねー・・・」
秀一さんがロスに行ってた時もだし、ここ最近は事務所に零が来てもなるべく近寄らないよう距離を取ってたし。
零とキスをしたのは、今日の昼間の突然のアレがほんとに久しぶりだった。
「分かるって。分かり易すぎる」
「あの、零のこと嫌になったとかではないからね」
「それも、分かる・・・昴さんに申し訳ないって思ってるのか?」
「・・・そうだね」