第24章 交わらない男達の二日間
「安室さんと二人で何喋ってたんですー?」
「別に、他愛もない話ですよ」
「ふーん・・・それならいいんですけど」
「しかし不思議なもので沖矢昴と安室透は仲良くなれそうな気すらしてきますね」
「・・・まあ昴さんと安室さんは人当たりいいですしね」
「まるで誰かが悪いと言われているようです」
「だってそうでしょー?」
二人きりの時間は束の間、御手洗から帰ってきたママに、昴さんは完全にロックオンされてしまい。
ママは昴さんの身体を褒めちぎり、彼との会話に夢中になる・・・
呆れて一人また川の流れを見つめていたら、安室さん達の声が聞こえてきて。
色とりどりのかき氷を抱えてこちらに帰ってきた。
「色々買ってきました!どれにします?僕は余ったのでいいですから」
赤いイチゴ、青いブルーハワイ、緑のメロン、黄色はレモンと思いきやマンゴー味、それから抹茶に小豆の宇治金時・・・
イチゴもいいけどマンゴーも気になるな。でも抹茶も捨て難い。
「うーん・・・やっぱりイチゴかなぁ・・・」
「うん。かおりさんはなんとなくそう言うと思ってました」
と、安室さんがイチゴのかき氷の入ったカップを差し出してくる。
それを受け取ろうと手を出した、けど上手く受け取れずカップが滑り、わたしの身体にかき氷がダイブしてくる。
「あっ!すみま・・・っ!冷たっ!!!」
「すみませんかおりさんっ!」
「わたしも!ごめんなさい!ひゃー・・・冷たい!」
立ち上がり跳ねて氷を下に落とす。
「かおりさん!服!シミになるといけない」
「えっ?」
「上着です、脱いでください、早く」
「ああ!はいっ」
パーカーを引っ張られるように脱がされそれを持ち去った安室さんが、川の水でシロップの付いた所を洗う。
そこに駆け寄り自分に洗わせてと頼んだけどそれは叶わず。
いつの間にか後ろにいた昴さんに声を掛けられる。
「身体にはかかってないですか?」
「わっ!昴さん!」
「一度綺麗に流しましょう」
両脇の下から手を差し込まれ身体を持ち上げられて、少し水深のある所まで連れて行かれ。
水の中で昴さんの手のひらが身体の前面を這う。
洗われているというよりむしろ・・・優しく肌を撫で回すような動きに・・・身体が熱を持ちかけそうになるのを無理矢理抑える。