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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第24章 交わらない男達の二日間


声だけが秀一さんに戻った彼と、しばし水の上を楽しむ。何も困ることなんてない。

キラキラ揺れる水面と、生い茂る木の深い緑に囲まれて。癒されるーってこういう事なんだろう。

随分岸からは離れた。

今聞こえるのは、サラサラ流れる水の音とたまにオールが水をかく音と、蝉の大合唱。
いつもはうざったらしく思える蝉の声も、今日はなぜか心地よく感じる。


手を冷たい川に浸けて、水滴を脚に落としながら肌を撫でる。冷たくて気持ちがいい。


「ひゃーつめたーい・・・」

「暑いならこれ・・・脱いだらどうだ?」

「やっ!ちょっと・・・っ!」


いきなり秀一さんにパーカーのファスナーの引き手を摘んで引っ張られ、上から服の中を覗き込まれた。
慌てて胸の辺りを服の上から押さえる。

のんびりしていた空気が一変してしまった。


「どうして隠す?見て欲しかったんじゃないのか」

「でも・・・」


首元に息がかかって、熱い。

わたしの腕から力が抜けたのを見計らった彼は、ジジジ、とファスナーを下ろしていく。
胸の谷間が露わになり、白いお腹も見えてきた。


「中々いい眺めだ」

「・・・秀一さん!」

「そう怒るな、別に何もしない、今日の俺は沖矢だからな」


彼はそう言うものの、ファスナーを全て下げると、わたしのお腹に両手を回し撫でるように触れてくる。
そのまま抱き抱えられて、首筋に唇が付けられて。

ああもう・・・どうすればいいんだろ。

漕ぎ手の手が止まったボートは川の流れに乗ってゆっくりと流れていく。

前方にある大きな岩の上には、金髪の色黒の男性、おそらく安室透だと思われる人が立っていて。
近くには多分梓さんと思われる人も居て。
まだ距離があり、顔はハッキリ見えないけど、こちらを見られているような気がしてたまらない。


「あの・・・そろそろ昴さんに戻った方が・・・」

「ああ、分かっている」


耳の後ろに甘く噛み付かれ、強く吸われた。これ、絶対跡が残ってる。

そして、抱かれていた腕からパッと解放された。


「さて・・・かおりさん。彼らと合流しましょうか」

「あ、はい・・・」


口調も声も昴さんに戻った彼がオールを大きく漕ぎ出し、二人のいる岩へ向かう。

わたしはそそくさとパーカーの前を閉める。
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