第24章 交わらない男達の二日間
皆の手前何も言えず。悪い意味で思った通りに部屋割りは決まり。
河原で遊べる格好に着替える為、それぞれたった今決めた寝室へ向かう。
梓さんと部屋に入り、「どっちのベッドがいいですかー?」なんて話をしながらも、二人きりになった零と秀一さんの事ばかり考えてしまう。
「かおりさんは、あの・・・彼氏さんと同じ部屋じゃなくて、いいんですか?」
「いいですよー、毎日一緒に寝てるし今日くらい・・・」
本音とは違うけど、今はこう言うべきだと思う事を口にする。
「でもせっかく遊びに来たのに・・・私、安室さんと同じ部屋でも構いませんよ?」
「え?・・・それはダメでしょ」
「それって安室さんと私が男と女だからですよね?」
「うん、そう」
「でも安室さんですよ?」
「安室さんは変な事はしないって?」
「そうに決まってますよー。第一、安室さんはかおりさん大好きなんだし私なんて全然」
「・・・それでも・・・この方がよくないですか?梓さんが安室さんと仲良くなりたいんなら別ですけどね」
「まさか!ない!ありません!」
安室透も梓さんも、異性と夜二人きりの状況になっても、簡単に身体を許すタイプの性格ではないと思う。
でも零が、自分じゃなくほかの女性と夜を過ごす所を思いがけず想像してしまい。
そしてそれを“嫌だ”と感じる事を自覚して、なんだか変な気分になってしまった。
水着を着て、日焼け止めを塗り。更に上からパーカーを羽織ってファスナーを閉める。外で遊ぶのも嫌いじゃないけど、日焼けはなるべくしたくない。
梓さんは水着の上に「これお兄ちゃんのなんですー」と言う大きめのTシャツを着てて。うん、すごく可愛い。
彼女と二人で寝室を出るともう既にみんな用意はできていたようで。
玄関近くで待つほぼ裸の男性二人に、思わず目がいってしまう。
どちらも知った身体だ・・・でも素敵な肉体が二つ並ぶと、とんでもない相乗効果を産み出すのか。
広い肩周りに厚い胸、綺麗に割れたお腹。
何やら重そうな荷物を担ぐ腕なんて・・・触りたくなってくる。触らないけど。
建物を出て、すぐ近くの河原まで歩く。
河原に着くと、水際で昴さんがパラソルを立て、安室さんはテーブルを、マスターが椅子を組み立て始める。
なるほど、脚を川に浸けながら座るのか。