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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第23章 暗躍する工藤夫妻


食事を終えて、わたしと有希子さんで食器を片付けていると、昴さんと優作さんが難しい顔をしながらコソコソ話しているのが見えた。


「あの、有希子さん・・・何話してるんですかね、アレ」

「さーあ・・・楽しそうな話じゃないのは確かよね。でも私達は、要らない心配しなくていいのよ、あの二人に任せておけば大丈夫」

「そう、ですよね」


たしかに、今のわたしに出来ることは・・・無いのか。
有希子さんの言う通りなのかな。

と思っていたら向こうから声を掛けられる。


「おいかおり、俺達が引っ越すことは誰かに話したか」

「・・・昨日エラリーのママにその予定だとは言ったけど?」

「降谷くんがそれを知っている可能性はあるか?」

「・・・多分知らないと思うけど・・・今日彼はポアロにもエラリーにも出てませんから」



そして、また昴さんと優作さんは怖い顔をして話し込む。

二人にコーヒーでも持っていこうかと思ったが、有希子さんの話に付き合っている内に・・・彼らの話も済んだようで。


わたしと昴さんは、それぞれ両手で軽く持てる位の荷物を手にして、工藤邸を出る。

「お風呂も入っていけば?」という有希子さんの言葉に甘えそうになるも、なぜか帰りを急かしてくる昴さんに車に乗せられ。



新居に戻り、部屋に入ってまずは持って帰ってきた衣類やらをクローゼットに戻していく。


「そんなの明日でいいだろう」

「そう?・・・あ、秀一さん!」


ようやく変装を解き、本来の姿に戻った彼が、廊下からこちらを覗いている。

今日は朝早くから昴さんの姿しか見てなかったからかな・・・なんだか久しぶりに会えたようで嬉しい。

それに、この新居で秀一さんを見るのも初めてだ。

手を止めて、わたしも廊下に出る。


「風呂に入るぞ」

「じゃあタオル・・・」


もう一度クローゼットの所に戻り、さっき工藤家で詰めてきた、いつも使っていたタオルを持ってくる。


「今日買ったのを使えばいいじゃないか」

「えー?新しいタオルは一回洗濯してから使いたいです」

「なんで使ってもいないのに洗うんだ」

「だって全然水吸わないじゃないですか」

「そうなのか・・・?」

「はい・・・?」

「お前といるとたまに勉強になるな」

「秀一さんがそういう事に無頓着だっただけでしょ?普通知ってますって・・・」
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