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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第22章 シルバーブレッド達のご帰宅


「・・・やってしまったな・・・俺としたことが」


再び二人で湯船に浸かっていると、後ろで秀一さんが盛大な溜め息を吐いて、呟いた。


「そんな、気にしなくても・・・」

「いや、外に人の気配がしてな・・・マスコミが来ているのかもしれん」

「はっ!?」


一瞬窓を見て、勢いよく後ろを振り返る。

まあ、秀一さんの表情は、あまり気にしているようには見えないんだけど。


「風呂場は声が外に漏れやすいからな・・・」

「ぇぇぇ・・・」

「お前が俺の名前でも大声で叫ぼうならどうしようかと心配していたんだが・・・なんとか大丈夫だったな」

「そういう問題!?まあそれも問題ですけど・・・」

「かおりの可愛い声が聞かれていたら?」

「そうです!それ!」

「聞かせるだけならいいだろう、どうせ奴らにかおりは抱けないのだから・・・」

「・・・酷い」


再び前に向き直り、膝を抱えて肩をすぼめる。
今度はわたしが盛大な溜め息を漏らした。

後ろから回ってくる腕を払い除ける。


「おい・・・俺もまあ、抑えようとはしたんだが・・・俺を止められなくするお前も悪い」

「・・・あんな目で見られたらわたしも止まれません」


信じられない、酷すぎる、なんで言ってくれなかったの!と聞けば、
言ったらそれ以上ヤラせてくれなかっただろう、と当たり前のように返事があり、呆れる。

まあ、いいんだけど。




お風呂を済ませて二階の秀一さんの部屋へ上がり、一旦電気は付けずに窓際へ。
わたしがカーテンの隙間からチラッと外を伺う。

やはり、マスコミのような人が数人来ていると思われる。

頭を抱えながらリビングに下りてきた。

まあ、冷静に考えれば、お風呂は玄関とは反対側にあるのだ、勝手に敷地内に侵入でもされていない限り、何か聞かれることはないと思う。

でも、それだけ離れてるのに気配を感じた秀一さんって・・・やっぱり凄すぎる。


「どうする?今日は飲むか?」

「うーん・・・飲まなきゃ寝られないかも?」

「そうだな」


こんな状況でもいつもと変わらず晩酌することになり。

あまり二階に注目されたくもないので一階の電気をほとんど付けっぱなしにしたまま、お酒を手にまた上へ移動する。
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