第22章 シルバーブレッド達のご帰宅
「大きく分けて、かおりに報告したい話は二つある」
「はい」
「まずは例の組織に関することだが・・・俺と優作さんは、あのアルファベット8文字は組織のボスの名前を表していたんじゃないかという結論に達した」
「アサカ、ラムじゃなかったんですね・・・」
「おそらくな。8文字を分けて考えるのではなく、C、A、R、A、S、U、M、A、と並べて読むと・・・」
「からす、ま・・・?」
「烏丸蓮耶という名はお前も聞いたことはあるだろう?世界的にも有名な大富豪だ。もうかなり前に死んだと言われているが」
「あっ、知り合いの探偵から聞いたことあります!黄昏の館の!でも・・・その烏丸蓮耶がボスなの?」
「おそらくな」
「死んでるでしょ?」
「実は生きている、もしくは生き返ったか、組織が生き返らせようとしているのか・・・」
「・・・よく分からないんですけど」
「俺にもよく分からんが、そう仮定すると頷ける部分も多くてな」
「例えば?・・・あ、ボスのメールアドレスってカラスの歌に聞こえるって言ってましたね・・・」
「それに、烏丸も才能ある科学者を大勢囲っていたと聞く」
「邪魔な人物を容赦なく消す所も同じですかね」
でもそんな得体の知れない人物がボスだった所で、一体どうすればいいんだろう?
「まあ、この件はFBIに任せておけ、次に話すことの方が今の今はかおりにとっては重要だ」
「え、はい・・・」
「まず・・・工藤新一と眼鏡のボウヤが同一人物であることを、優作さんが認めた」
「やっぱり」
「工藤新一は組織の開発した毒薬で殺されかけたんだが、何故か死なずに身体が縮んでいるそうでな」
「毒薬・・・」
「しかもその薬を作っていたのは隣の宮野志保だ。現在彼女はその薬の効果を打ち消す解毒剤のようなものを作っているそうで・・・一時的になら元の姿に戻れる薬ができているらしい」
「へえ・・・だから修学旅行も行けるんだ」
「ああ、それはいいんだが、ここで問題なのは、組織は工藤新一を消したと思っているという事だ。生きていると知れると非常にまずい」
「秀一さんと一緒ですね」
「そうだな・・・今日帰りの飛行機の中で彼について色々調べていたんだが・・・どうもまずい事になりそうでな・・・これを見てみろ」