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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第21章 ひとりぼっちの夜


・・・哀ちゃんのガードはかなり堅い。
何回話し掛けても素っ気ない返事ばかりだ。

そうして悪戦苦闘している内に、日が暮れかけてきた。
つまり、後片付けをして、バーベキューはお開きになる。


「哀ちゃん!せっかくお隣さんなんだし、これからもよろしくね」

「ええ、今日はご馳走様」

「またいつでも遊びに来て?」

「気が乗ればね・・・」


お別れの挨拶もこんな感じである。



家に入り、昴さんが秀一さんに戻り。やっと気も楽になった。


「お前、随分あの子に熱を上げていたな」

「哀ちゃんのことですか?・・・なんかあそこまでクールに接されるとそれを崩してみたくって・・・」

「無理矢理こじ開けて壊すなよ」

「はーい・・・仲良くなりたいだけなんですけどね」

「彼女はあまり人と群れるタイプでは無いからな・・・」

「そんな感じですよねー・・・壁があります」

「かおり・・・」

「はい?」

「ちょっと・・・話せるか」


秀一さんの声色が妙に落ち着いている。
真面目な話なんだろうか。


「はい・・・どうしたんですか?長くなりそうなら・・・先にシャワー済ませます?」

「そうだな・・・」



身体を綺麗にして、先にシャワーを済ませて待っている秀一さんの部屋に来た。

彼はいつものように茶色いお酒の入ったグラスを片手にソファに深く座っている。


秀一さんは、何を改まって話したいのか。
悪い話のような雰囲気では無かったと思うけど、楽しい雰囲気でもなかったのも確かだ。

今日は明るい内から飲んでたから、わたしはもうそんなにお酒は要らないんだけど・・・

素面の状態で聞くのも怖いというか。
お酒の力を借りていた方が、もし辛い事を言われても耐えられるような気がして・・・

バーボンを少しだけ、氷を入れたグラスに注いでクルクル回し、秀一さんの隣に腰掛けた。


「それで・・・話ってなんですか?」

「ああ、かおりに無理に話す必要はないと思っていた事なんだが・・・一応耳に入れておいてくれるか。先に言っておくが、この事について、あまり深くは考えんでいい」

「分かり、ました・・・」
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