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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第19章 伝えたいことがある


「今日諸伏警部に会いに行った時にね、最初隣に超怖い人がいたのー。どっかの組員みたいな」

「へえ・・・」

「目が片方しか開いてなくてね・・・その目に睨まれてさあ」

「でもそいつも警察の人間だった、って?」

「なんで分かるのー・・・警察にも恐ろしい顔の人って結構いるの?」

「そりゃいるさ。僕の上司にもそういう顔付きの人はいるし・・・マル暴って分かるか?」

「ソタイってやつ?」

「そう。そこなんて酷いもんだ。ちなみにその警察官の名前は分かるのか?」

「やまとって呼ばれてたよー」

「へえ・・・大和ね」

「でもこの間までもっと恐ろしい顔の人が県警にいたらしいよー、今は警視庁だって。知ってる?」

「ん?さあ・・・僕は滅多に登庁しないから・・・それは諸伏警部から聞いたのか?」

「ううん、コナンくん」

「ああ、彼か・・・彼は本当物知りだね。そうそうコナンくんっていえばさ・・・」


・・・ラムかもしれない黒田という男の話題に持ち込もうにも話を流され上手くいかず。

次はもっと正攻法でやってみようか・・・


食事を終えて、まだ時間も早いしホテルのバーで飲むことになり。

最初こそ白ワインを飲んでいたけど、
これで最後の一杯にしようとわたしが頼んだのがラムのストレート。
零はバーボンのロックを。聞いた瞬間笑ってしまいそうになった。


「共喰いじゃん」

「かおりさんこそ、そんなの飲むんだな」

「量は飲めないけどね、最後に少しなら好き」

「へえ・・・てっきりラムのことを探りたいのかと思った」

「・・・バーボンとラムは仲良しなの?」

「原料は違うけど作り方は同じ部類だな」

「そういう意味じゃなくて」

「僕がまともに答えると思うか?」

「思わない・・・」

「だろ?せっかくゆっくりできるんだからこんな話はやめないか・・・」


当然だけどあっさりスルーされてしまい。

今夜はラムの話は諦めてこの場を楽しんだ方が自分のためにも良いのだろうか。



部屋に戻ってお互い風呂を済ませて、二つ並んだベッドにそれぞれ腰掛ける。
向かい合って話していたら、零がこちら側にやって来て、すぐ隣に座った。


「なあ、かおりさん、よく聞いてくれ」


なんだろう。改まって。
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