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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第18章 秘密が多い私達


翌朝。

珍しくパチッと目が開いた。
隣には、目を閉じて寝息を立てている秀一さんがいて。
時計を見れば起きるべき時間だ。


彼の寝ている顔をジックリ見るのは、初めてかもしれない。
秀一さんのいつもの鋭さは無くて、この力の抜けている顔は・・・可愛いかもしれない。


いつの間に秀一さんは帰って来てたんだろう。
遅かったんなら起こすのは悪いかと思い、そーっと身体を起こして、ベッドから出ようとした。


「ん・・・朝か」


秀一さんが目を開けた。
生まれつきだと言う目の下のクマも相まって、すっごく眠そうな顔付き。


「すみません、起こしちゃいましたか」

「いや、いい。だがもう少し寝る・・・飯は食うから・・・できたら起こしてくれ」

「うん。おやすみなさい」


秀一さんの頭を優しく撫でて、ベッドから出た。
彼は特に反応もせずに、また目を閉じた。




できる限り音を立てないように支度をして、キッチンで朝食を作り、秀一さんを起こしにそっと部屋へ戻ると、まだ彼は秀一さんの姿のままベッドの中にいて。

ベッド際でしゃがみ込み、暫く寝顔を眺めていると、自然と顔がニヤケてくる・・・

あの秀一さんにも、こんなに無防備な瞬間があるのだ。
誰にも見られたくないし、見せたくない。


今日は探偵事務所に出勤するだけだから、少々遅刻したって誰かに迷惑をかけることはほぼないだろう。
このまま起こさず眺めていてもいいんだけど。
やっぱり起こさなきゃな・・・


「秀一さん。ごはんできましたよ」

「・・・ああ、すまんな」


大きな欠伸をして、彼は起きた。


パジャマのまま、秀一さんの姿のままの彼と二人で朝食をとり。

家を出る前のキスは、わたしから強請るまでしてもらえず。


いつも朝は昴さんと過ごしてばっかりだったから、なんだか新鮮な気持ちだ。

でも・・・例の組織の件が全て片付いたら、これが日常になる日が来るんだろう。

いつそんな日が来るのか。


今わたしにできることは、零から組織の内情を聞き出すことしかないんだろうか。

わたしも、何か役に立ちたい・・・
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