第18章 秘密が多い私達
夜になり、家に帰って秀一さんといつものように夕食をとりながら話す。
「今朝の依頼の件で、来週長野に行くことになりましたー・・・対象者の実家がそっちらしくて」
「ほう・・・日帰りか?」
「そうですね」
「一人で行けるか」
「子供じゃないんだから行けますよ」
「・・・向こうの県警に行く用事なんて・・・ないよな」
「県警?・・・まずない、でしょうね。犯罪歴の調査はいつもの人に頼めば済みますし・・・」
「向こうに知り合いの警察関係者はいないか?例の三人の内の一人の黒田は、先日まで長野県警にいたそうだからな」
「へえ・・・でも長野にはツテは・・・無いですね。お役に立てなくてすみません」
「いや、いいんだ。メガネのボウヤが長野県警にも顔が利くそうでな」
「・・・コナンくんてすごすぎ・・・」
「ボウヤは行く先々で事件に巻き込まれることが多いようだから」
「探偵冥利に尽きますね・・・あ、それで明日その依頼人が夜に来るそうで。内容の確認ついでに夜ご飯ご馳走してもらえるみたいなんで帰るの遅くなるかも」
「夕飯はいらんのだな?それなら俺も外で仕事してくるか」
食事を終えて、食器を片付ける秀一さんの横で明日の朝食の準備をする。
明日から朝ごはんを作るのはわたしだ。
「成程、こうしておけば明日が楽だな」
「わたし朝弱いから・・・夜のうちにしておくんです」
「明日は事務所か?喫茶店か?」
「一応エラリーです、夜は探偵の方だけど」
「覗いてみて暇そうだったら行ってもいいか」
「どうぞー?忙しそうでも来てくれればいいですよ?ママにも言っておきます」
「そうか?邪魔になるといかんだろ」
「邪魔な訳ないですって!むしろママは喜ぶと思う・・・」
わたしがエラリーを手伝うのもあと少しだから、一度はバイト姿を見ておきかったんだと秀一さんは言う。
見たって大したもんじゃないと思うんだけど。