第17章 いつもの刺激的な日常
秀一さんにあんなことを言われ、ひとまず忘れようと努めずとも、零のことは頭から吹き飛んでいってしまった。
ソワソワしながらお風呂を済ませて、買ってもらったショーツを履いてみると、意外にも履き心地は悪くない。
でもお尻は丸出しだし、前も透けてるし・・・こんなに小さなものは初めてなのでどうも落ち着かない。
いつも寝る前はブラはしないけど、せっかくだし揃いのものを付けた。
デザインは綺麗だけど、とにかく肌の透けてる部分が多すぎる。
機能性どうこうよりも、とにかくセクシーな見た目に拘って作られた下着だな・・・
まあパジャマを着るといつものわたしだが。
秀一さんにお風呂が空いたことを伝えて自室に入った。
髪を乾かして、鏡の前で自分の肌とにらめっこをしていた。季節の変わり目はどうも肌が敏感になる気がするのだ。
するともう秀一さんがやってきた。
彼はお酒を片手に、いつものようにソファに座る。
男性のお風呂は、ほんと早い。
「ん?かおり今日は飲んでないのか」
「今からです、今から。秀一さんのお風呂が早すぎなんです」
小さな冷蔵庫からビールを取り出して、わたしも隣に座る。
「風呂に長く入る意味が分からん。温泉は別だが」
「温泉・・・また行きたいなぁ」
「日本にいればまた行けるだろう」
・・・秀一さんの国籍はアメリカだったことを思い出した。
「ねえ?・・・秀一さんって・・・組織の件が落ち着いたらやっぱりアメリカに戻るの?」
「まだ決めかねている・・・かおりはどうして欲しい」
「わたしは・・・秀一さんのそばにいたいです」
「俺もお前と離れることは・・・考えたくない」
「もし、アメリカに戻るんだったら・・・ついて行ってもいいの?」
「構わん。向こうには俺の家もあるからそこに住めばいい」
「わたし英語喋れませんよ?」
「住めば馬鹿でも話せるようになる」
「バカって・・・でももしアメリカ行くんならパスポート取らなきゃな・・・」
「お前・・・持ってないのか」
「持ってません・・・」
「取っておくといい。どちらにせよ、いずれ必要になる」
「はーい!」
わたしの初めての海外は、いきなり移住になるのかもしれない・・・