第17章 いつもの刺激的な日常
自分でも驚く程平常心でいつものように秀一さんと会話もできた。
夕食を食べながら、今日のことをお互い話す。
秀一さんは今日はコナンくんと会っていたようだ。
「真面目な話をしてもいいか?」
「はい・・・?」
「組織のNo.2、ラムの可能性がある人物が三名、あがってきた」
「・・・!どんな奴ですか?」
「一人は毛利探偵事務所の隣の寿司屋の板前、もう一人はメガネのボウヤの学校に赴任してきた教師。最後の一人は・・・警視庁捜査一課の管理官だ」
秀一さんはタブレットを操作し、その三人の写真を見せてくる。
「顔を頭に叩き込んでおけ、もし見かけたら注意して、すぐ俺に連絡しろ」
「はい・・・でもこの中にいるんでしょうか・・・」
「まだ何とも・・・ここ最近急にこの近辺に現れた片目が義眼、もしくは隻眼の可能性のある奴らだとしか言えん」
「この先生とか、おっとりしてて全然悪そうに見えないんですけど・・・」
「人は見かけでは分からん、降谷くんだって喫茶店ではニコニコしているんだろ」
「ほんと気持ち悪いくらい素敵な笑顔振り撒いてますね・・・」
「降谷くんは、何か言ってないか?」
「そういうことは中々・・・最近は安室透として接してばかりですし」
「まあ彼は是が非でも組織を潰すのは自分たちの手柄にしたいだろうから・・・こちらには情報は流さんかもしれんが・・・それとなく伺ってみてくれ」
「明日は彼がエラリーに入るはずですから・・・二人になれたら聞いてみます」
よくもまあスラスラとわたしの口からこんな言葉が出るもんだ。
さっきだって“降谷零”に会ったし、明日も確実に二人で過ごす時間があることも分かっているのに。
零とあまり会わないようにしなくてはと思う反面、会う口実があるのは有難いと思ってしまう・・・
でも家では零のことは忘れるように努めた。
しばらく堅い話が続いたが、それも終わり。
夕食の片付けをして、今日はわたしが先にお風呂に入ることになる。
リビングを出ようとしたときに、秀一さんが後ろから近付いてきて、
「上がったら昨日買った下着を付けて待ってろ」と言われ・・・
それは“上がったら抱いてやるから待ってろ”に、脳内で勝手に変換されて、カラダの奥を熱くさせ始めた。