第16章 胸に秘めた
「もう・・・浴衣くちゃくちゃ・・・」
微睡みたくてもどうも落ち着かなくてモゾモゾする。
「脱ぐか?」
「・・・うん」
秀一さんに帯を解かれて、布を引っ張られ、放られる。
彼も浴衣を脱ぎ捨てて、裸になってまた肌を合わせる。
「んー・・・きもちいー・・・」
「そうだな・・・」
本当に秀一さんの肌は気持ちいい。
彼の肌が特別綺麗という訳ではないから(そこそこ綺麗だけど)やっぱり肌にも相性っていうのがあるんだろうか。
くっついているだけでこんなに・・・
「さいこう、です・・・」
「かおり」
「・・・はい」
「好きだ」
「・・・ふふっ・・・わたしも・・・大好きです」
わたしの頭を撫でると、秀一さんはベッドから出て、水を手に帰ってきた。
なんとか身体を起こして、お水をもらうけど、まだ腕には痺れたような感覚が残っていて。
明日は筋肉痛かもしれない・・・
意識がハッキリしてくると、それからまた一緒にお風呂に入った。
お風呂上がりにくちゃくちゃの浴衣を手に取ったけど・・・もう着る気にはなれなくて。とりあえず畳んで床に置いておいた。
バスタオルを身体に巻いたまま、またしばらくお酒を飲んで過ごして。
眠くなってきたら、まだ使っていない綺麗な方のベッドに裸で二人で入る。
おやすみのキスを交わして、わたしは目を閉じた。
眠る寸前、秀一さんが頬や鼻先、まぶたにまでキスしてきて、思わず口角が上がってしまったのは覚えてる。