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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第16章 胸に秘めた


あごがガクンと落ちて、我に返った。

時計を確認するとそれほど時間は経ってはいないようだけど・・・寝てた。

膝の上では零が規則正しく呼吸をしている。
彼ももしかして・・・寝てるのか?

肩をトントン叩いてみる。


「零、そろそろ戻らないとだめなんじゃない?」

「んー・・・っ?」


どうも寝てたみたい。
大きく伸びをして、零が起き上がる。


「ありがと・・・かおりさん・・・すっごく気持ち良かった・・・」


少し掠れた声で言われ、まるで情事の後みたいだなと心の中で呟く。


「ごはんありがとね。お金は?」

「気にしないで。あー戻らなきゃ。なあ今度いつ会える?」

「・・・いつかな」

「暇なとき連絡して」


彼はわたしの額にキスをして、お皿を手にして出ていった。


なんとなく、窓から階下を覗く。

先程までここにいた彼の頭が見えた。
次の瞬間彼はこちらを見上げてきて、ニッコリ笑って手を降ってきたので、手を振り返す。
もう、安室透の顔をしてる。

そして彼はエラリーの中へ消えていった。

きっと今頃ママにいろいろ言われてるんだろう。


でもなんというか・・・これじゃあ恋人みたいじゃないか。

・・・零のことを考えるのはやめよう。

さっきまでのことを頭の片隅へ追いやるように、また旅行のことに思いを走らせた。


ベッドがいいのか布団がいいのか。
部屋で食事ができることと、海の見えるお風呂は必須だとして。
可愛い浴衣が着れる所もいい。
どうせ部屋から出ないんならエステとか部屋で頼んでもいいかな・・・

まあ、秀一さんは絶対、どっちでもいいと言うんだろうけど・・・
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