第11章 再会する彼ら
秀一さんに(昼間は昴さんの格好だけど)部屋で待ってろと言われたので、大人しく部屋で待つ。
こっそりコナンくんとの会話を聞きに行こうかとも思ったけど、相手はFBI捜査官と超有名高校生探偵だ。
絶対バレる気しかしないのでやめておいた。
しばらくのんびりしていると、部屋の扉がノックされる。
「かおり、入るぞ」
「どうぞー」
秀一さんが入ってくる。
目の前に座った彼の顔付きがにこやかでないのは明らか。(もともとそんなに笑わない人だけど)
「かおり、しばらく公安のセーフハウスにお世話になろうか」
「えっ?嫌ですよ」
「俺だって断りたいが、俺は表向き赤井秀一ではないからな。沖矢昴はただの大学院生だ」
「・・・降谷零の提案ですか」
「そうだ。不本意だが日本では彼に任せるのが一番安全だと思う」
「秀一さんに会えなくなるの?」
「おそらくな。でも落ち着いたらまたいくらでも会えるだろ」
「いつ落ち着くんですか」
「降谷くんとベルモットの交渉が上手くいけば早いかもしれん」
「うーん・・・でもやだなぁ・・・」
「やだじゃない、お前を守る為に皆必死に考えて動いてくれてるんだぞ」
「・・・すみません。いつから入らなきゃいけないんですか」
「明日の早朝迎えが来る。荷物をまとめておけ」
「・・・はい」
盛大なため息をついて立ち上がる。
秀一さんも部屋を出て行った。
全く乗り気じゃないけど、旅行用のスーツケースをクローゼットから取り出し、服を適当に詰め込む。
でも一体何泊分用意すればいいの?そもそもそこに洗濯機はあるのか?シャンプーやらはどうすればいい。
とりあえず三、四日分の身の回りの用意をした。
少ないって?
でもそれ以上手持ちのスーツケースには入らないのだ。
セーフハウスってドラマとか映画で聞いたことはあるけど・・・本当にあるみたいだ。スパイの隠れ家みたいな所だよな。
やっぱり行きたくない・・・