第11章 再会する彼ら
秀一さんが波土のリハーサルから帰ってきて、いろんなお土産話を聞かせてもらえるのかと思っていたら、まさかの波土の自殺の話を聞かされ拍子抜けしてしまった。
おまけに、波土の曲のASACAは組織とは何も関係なかったそうだし。
まだまだ先は遠そうだー、なんて話していたら、突然零から電話がかかってきた。
電話を切ると、秀一さんに聞かれる。
「降谷くん、どうしたんだ?」
「どうしても今渡したいものがあるから出てきてって」
「渡したいもの?今じゃないと駄目なのか」
「多分、電話で言えない緊急の何か・・・ですかね」
秀一さんに家の中から見張られながら外へ出て、零とほんの少し話をして、また家に戻る。
「秀一さん・・・わたし、ベルモットに目を付けられたかもって言われました・・・」
「たしかなのか?」
「わからないけど・・・しばらくわたしとは関わらないようにするって。身の回りに気を付けてって」
秀一さんは、大きなため息を吐いた。
どうするのが最善なのか。
もっと詳しい話を聞きたいけど、零には連絡するなと言われたばかりだ。
普段から安室透と接触していてもおかしくない人物・・・コナンくんに詳細を聞きに行ってもらうことになり。
とりあえずしばらくは絶対に一人では家から出ない事、外に出る際は、必ず秀一さんと一緒に行動する事を約束させられた。
いつまでこの状態は続くんだろうか。
そんなに組織の人間というのは恐ろしい奴らなのか。
でも、これからしばらく秀一さんと長い時間一緒に居れると思うと、少し嬉しくもあったり。
(口に出したら絶対怒られそうだから言わないけど)