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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第1章 米花町2丁目21番地


夕食はフレンチのコースらしい。有希子さんがシェフに用意させていたシャンパンで乾杯して始まる。


「かおりちゃん、沖矢くん、仲良くやっていけそうかな?」優作さんが聞く。

「もうすっごく仲良しそうだよーこの二人。もう熱すぎて見てらんないくらい」聞かれてもないコナンくんが答える。

「あらそうなのー!早くも美男美女カップル成立?キャー!どうしましょう!」有希子さんは楽しそうにわたしと沖矢さんへ交互に視線を送る。

つい苦笑してしまい、それを見た優作さんは「有希子、はしゃぎすぎだ」とピシャリと締めた。


それでも和やかに食事は続いて。

メインは焼いたヒレ肉に、付け合わせの綺麗な野菜がいっぱい。一口食べるとお肉も柔らかくて美味しいが、口いっぱいにソースの香りが広がって、絶品だ。

ふと沖矢さんの方を見ると、料理を小さめの一口大に切って口にフォークで運ぶ姿がすごく上品。


「沖矢さんって食事する姿まで素敵ですよね。ナイフとフォークの使い方が様になってるっていうか」

「ああ、海外暮らしが長かったので慣れているだけですよ」

「へえ!わたしなんて東京に住むってだけで大事(おおごと)だったのに。実は海外って行ったことなくて」

「でも実際日本が一番住みやすいですよ。料理も美味しいし、何より治安が良いです」

「それよく聞きます。でも最近東京も変な事件多いですよね。
ちょっと前だけど、原因不明の食中毒と異臭騒ぎと爆発が同時に起こって病院がパニックになってたとか」


・・・?
一瞬沖矢さんとコナンくんの動きが止まった気がしたけど、気のせいか。


「・・・かおりさんには、僕がついてますから。ちゃんとお守りしますよ」

「それは嬉しいけど、本当は何もないのが一番」

「それでは僕の出番がありませんね」

「そんな出番なんて来なくていいんです!」


彼が悪と戦う捜査官だということを知らないわたしは、呑気に運ばれてきたデザートに心を踊らせる。 巨峰がたっぷり乗ったタルトだ。幸せな甘さに一人悶える。


「かおりさんはとっても美味しそうに食べますよね。ずっと見ていたくなります」


なんて沖矢さんに言われてしまい、わたしは別の意味でまた悶えるのだ・・・
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