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エラリーの彼女【名探偵コナン】

第10章 彼らの秘密


沖矢さんと店を出て、歩く。

自然と手を繋がれて、胸の鼓動が少し速くなる。

彼と手を繋いで外を歩くのは初めてだ。

空を見上げると、無数の星がチカチカしていて。
東京でも、星は見えはするけれども。


「星・・・こんなに綺麗でしたっけ」

「今日みたいに晴れていて尚且つ寒い日は、東京でも割と綺麗に見えるんですよ」

「沖矢さんってやっぱり物知りー」

「かおりさんより少し知っているだけですよ」

「そうやって謙遜する所が沖矢さんだよね」


今もし彼が秀一さんだったら、お前はそんな事も知らないのか?とか言われてそう。


「ええ。その通りです」


笑いながら家に着く。


「かおりさん、僕の部屋に来ませんか?」

「うん、いいけど?」


家に入って、鞄を自室に片付ける間も与えられず、そのまま手を引かれ彼の部屋へ連れていかれる。


「ちょっと、沖矢さん?」

「僕のことは名前で呼んでくれないんですか?」

「・・・昴さん、ってこと?」

「そういう事です」

「昴さん?」


部屋に入って扉を閉めると、彼と扉に挟まれ、唇が降りてきた。

暖房は付けたようだが電気も付けていない暗くて寒い部屋。
カーテンを開けたままの窓際だけが、薄ら明るい。


扉を背にして、両脇は彼の腕で固められ、閉じ込められたような状況に、更に胸が高鳴る。


「久しぶりに沖矢昴のままでいたら、このままかおりさんを抱きたくなりました」


再び唇を塞がれて、身体の線ををなぞる手に、持っていた鞄を取られ、床に放られた。

上着の中に手が入ってきて、服の上から乳房に被せられると、優しく揉まれる。

キスの合間に、甘い吐息が漏れ出す。


今日は“沖矢昴”のまま、するのか。
頭は混乱しているが、身体はどんどん熱を帯びてくる・・・


離れた唇が耳元をくすぐって、耳たぶを挟まれる。舌を這わされると、膝が崩れ落ちそうになる。


「あっ・・・昴さん・・・」


彼の服を掴むと、クスッと笑われて身体を支えてくれて。

上着を脱がされ、抱き上げられて、ベッドへ連れていかれる。


「久しぶりだから、優しくできないかもしれません」


そう言って覆い被さってくる昴さんが、秀一さんとは別人であるかのような錯覚に陥る。

本当に久しぶりのような気がして、心臓がドクリと跳ねた。
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