第1章 IF:【冬春】エース救済・主人公生存
「アホかお前らは!!?さっさとストレッチャーもってこい!!!」
エースの土下座で静まり返っていた甲板にドクターの怒鳴り声が響く。
「瀕死の重傷患者だぞ!!?死ぬか生きるかの瀬戸際だ!バカな意地はさっさと捨てろ!!」
「バカ息子ども道を開けろ!医療知識のある軽傷者は手伝え!!」
その後ドクターの手によりは手術され、なんとか一命は取り留めた。ナースも合流し、あの戦争から何日も経っているが一向にが目を覚ます気配はない。エースは毎日のように病室に通った。
船員たちはエースからの話をポツリポツリと聞いた。「昔は優しかった」「突然態度を変え、優しさなど見る影もなくなった」「一度も鍛錬で勝てた試しがなかった」「鍛錬でボコされても絶対に丁寧に治療してくれた」「インペルダウンで姉がわからなくなった」「俺を逃すまで死ねないと呟いていた」エースの言葉に船員たちもの見る目が変わっていった。そして、歪な姉弟の姿を心配するものが多くいた。
の病室前に座り込むエースの隣に人の気配を感じた。マルコだ。
「青剣が起きたらまずどうするんだ?」
「……色々話す」
「大雑把だなぁ」
「…会話らしい会話なんて、10年以上してない」
「ほんっとに、拗れた姉弟だよい…」
不安で、もやもやとエースの中を漂っていた霧がスーっと晴れていく気がした。マルコと話すことで気が紛れたのか、エースは少し胸が軽くなった。
そんなとき、室内から物音がした。まさか、起きたのでは。マルコと目を見合わせたエースはすぐさま立ち上がり扉へ向かうが、エースがドアノブを引く前に扉が開いた。
扉を開けた張本人はそのまま部屋を飛び出し真正面に立っていたエースと衝突した。
「わっ!」
「うぉっ!?」
「エース!?」
そのまま2人は倒れこみエースは下敷きになった。
扉を開け、エースの上に乗り上げるのは包帯を全身に巻いた、とてもじゃないがまだ動けるような患者ではない。
「おい、急に部屋からとび、」
「えーす…?」