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【ONE PIECE】短編

第2章 ハートのピエロクルー【サボ】


サボの言葉にフランキーとゾロから疑いの目線が届く。なんだその目は。ムッとしながらもサボくんの前のため、下手な態度は取れない。

「私も元々は一国の王女だよ」
「王女!?お前が!?」
「さっきサボくんも言ってたじゃん。私の国が滅んだって。だから元」
「そうだったの…ねぇ、あなたの名前を聞いても?」
「…パイエロット。私はパイエロット家の元第一王女」

ロビンが息を飲んだ。彼女は賢いから、私の国についても何か知っているのだろう。
サボくんはもうそろそろ帰るという。なんとルフィくんとは義兄弟らしく、顔を見に来たらしい。そうだったのか、私に会いに来たわけじゃ…いや、いいんだけど。弟が大事なのはとっても素敵。
いつの間にか作ったらしいルフィのビブルカードをゾロに渡したサボは、なんともあっさりキュロスの家から出ていった。

「ごめん、ちょっと私もでてくる」
「いってらっしゃい」

ロビンのにこやかな笑顔に送り出されたは小さく頷いてサボを追いかけた。
サボは立ち止まり、キュロスの家の方へ体を向けが来るのを待っていた。

「さ、サボくん…あの、私本当にまたサボくんに会えて嬉しい…」
「俺もだよ」

サボの言葉に顔の赤くなる。昔からこうだ、サボは初恋で、憧れで、ずっと大好きな人。
ゆっくりとの元へ近づいて来る。シルクハットを外し、綺麗な金髪が風でサラサラと揺れる。サボの手が、同じ金髪のの髪に触れる。

「いつの間にか海賊になってて、驚いた」
「あっ、その、わたし、」

サボの言葉に急に青ざめた。半歩後ろに下がったに思わずサボの髪をいじる手も止まる。
が海賊になる過程は、正直あまり思い出したくない。海賊になる前、どんなことをして来たか、きっとサボに軽蔑される。そう思うと怖くなってしまった。自分がおかしくなった自覚だってある。サボに嫌われたくない。だけど、サボの知る、世間知らずなお姫様な自分は、もうどこにもいないのだ。

「っ!」
「さ、ぼ…くん」
「忘れてて、ごめん…国が大変なときに、俺は…!」
「違うよ、違うの…私、サボくんに嫌われたくないの…」
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